今週のチェック(2025/10/26) / TESTAMENT, TURNSTILE, MOTION CITY SOUNDTRACK, FM, -The Weekly Reviews

TESTAMENT, TURNSTILE, MOTION CITY SOUNDTRACK, FM, 今週のチェック
TESTAMENT, TURNSTILE, MOTION CITY SOUNDTRACK, FM,
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TESTAMENT / 「Para Bellum」 :84p

TESTAMENT / 「Para Bellum」

TESTAMENT / 「Para Bellum」

オーメン ウーメン、ぼくテスタメン5年ぶりのィヤンパクト。13th。

しかも未だちゃんとドンチャックさんが歌ってて、しこるニックパイセンとエリック・ピーターソンのギターが固めてスティーヴ・ディジョルジオ(Ba)がちゃんといるっていう義理堅さよ。
(ドラマーだけ新参らしいが、こいつがまた相当ヤヴァい)

なので、手放しで褒めたり出来るほどなド傑作ってわけでは全くないけど、それでも馴染みのおっさんどもが集まってこの令和に色々やってみたがそこそこ体なして取り繕られているのが、比較的好印象だ。

何せ、時は戦国世はベイエリアクランチな80年代スラッシュ黎明期から、90年代グランヅオルタナ震災期とデス/ブラック隆盛、モダヘビヌーメタ時代にメタルコア到来…と盛者必衰の長き激系メタルの戦乱の戦火を泥啜りながら生き抜いてきただけあって、その時代時代に得てきたり脱ぎ捨ててきた様々の鉄クズからそのルーツまでを、この令和に生き証人とばかりに身晒してるのがカラフルかつエモいところ。

ドラゴン怒りの暗黒メロブラM1“For the Love of Pain”から、鬼のブラスト着火突貫スラッシュM2“Infanticide A.I.”へと畳みイキって黒閃連打する冒頭からキレッキレな高重力激烈バトラッシュ展開も胸アツながら(新加入のドラマー、クリス・ドヴァスによって火力倍増)、しかし。
中でも聴きどころは、今やこういうの歌うほうが寧ろ似合うのかもしれないとすら思わせる、堂に入ったスローナンバーM4“Meant To Be”
アコースティックに漂うチャック・ビリーの男臭い乾いた哀愁歌が、やがてドラマティックさとエッジをあげて高揚怒涛していくというメタリカ”One”を何十年擦りまk味染みスラッシュバラードだ。

さらには旧来彷彿なスラッシュチューンあり、オールドスクールなデスメタあり、長尺ナンバーあり、モダンえ?ワライあり、絶滅2分前からのメロディックな中折れあり(ん?)と、巣鴨の商店街ばりにシニア向けなカラバリ揃えつつそのいずれもが最高域だとは全く言わないが、それでも微妙さしかなかったここ10ウン年の近作勢の色褪せっぷりに比べれば遥かにスカッとマシなびる。
てか今更だけど、意外(?)とラムゴな野獣っぷりもサマになってたりすんのいいよね。(M5“high Noon”

言うて近年、当時のバンド勢が次第に老い廃れてksつまんないアルバムしか出なくなってくるわ、SLAYERさんに至っては今や老人ホーム暮らしだわなこのスラッシュ高齢化社会険しきご時世で、今尚こういう現役ドバリバリな力作生んでくれんのマジ流石で尊いっすわ、ちぇすちゃめんちょ先輩。

TURNSTILE / 「Never Enough」 :82p

TURNSTILE / 「Never Enough」

TURNSTILE / 「Never Enough」

 

「やべーぞハイプだ!!」

 

やべーぞハイプだ!!

 

SLEEPなDOKKENあたりと首位を熾烈に争う、2025年度「やべーぞ」メタル賞、最有力候補、
あと2ヶ月くらいして「2025年のシーンを語る」ってあちこちで書かれるやつで真っ先に出てくんのがすでに決まってるこのアルバム、
年内回収に無事間に合っての、ここにピックアップ。6月リリース。

2021年の前作「Glow On」で人気フットーし、グラミー賞数部門にもノミネートされてはあちこちでぼくがかんがえたさいきょうのじせだいはーどこあ、と名を高めまくった米ボルチモアのTURNSTILE、満を持してこれが4thとなる。

まずは幽玄なシンセによるミラーボールきらめくかのオシャレイントロからなだれ込む80年代ハードコアスラッシュ展開。(M2“Sole”

かと思えば、シティポップありニューウェイヴあり、時にテクノやってみたり、シューゲイズったり、トランペット加えてスカったり、まんまPOLICEやってみたり(M10“Seein’ Stars”)と、色どりよくあれもこれもよくぞ貼っつけたりなミクスチャー型現代進行形ディスコっコっコっコア。

おかげで英ケランゲの気持ちはじめ、ハードコアなんてこれまで聴いたことすらないNMEさまからロキソノンまでもがワッショイワッショイのお神輿満点歓迎、
こうなってくっとお前もそんないいとガチで思ってんのか?と問われそうな、やべーぞハイプ踏み絵コアなんだが、でもこれが実際にいんだから困りもの。(別に困らないけど)

前作より幾分かサマーバイブス強めでチルドリーミン、よりアンビエントなムーディさを高めながらも、さらに器用にジャンルの垣根を跳躍。
ただしひねくれたおっさんからすれば、その手際が今回ご予算かけててやたらご達者すぎるせいか、イマイチワザトラ白々小賢しさのほうが目に余るところも見当たれど、ええやん、そういう時期なんでしょ。(生暖かいまなこ)

個人的にはハーコーチューンもいいけど、いかにも90年代ポップパンクなM13“Time Is Happening”、からいい夢見ろよM14“Magic Man”のラス流れ、かなりすこ。

MOTION CITY SOUNDTRACK / 「The Same Old Wasted Wonderful World」 :85p

MOTION CITY SOUNDTRACK / 「The Same Old Wasted Wonderful World」

MOTION CITY SOUNDTRACK / 「The Same Old Wasted Wonderful World」

この令和に、あのモーション市立ラブコメ学園サントラの新作かよ!?とアガりかかるゼロ年代エモ/パンクチルドレンも少なくもなかろうこれ。(俺)
しかも今や立派なおっさんらが、それらの需要にちゃんと律儀に答えつつ、しっかりイイ感じにオヤジとしての「あの頃からここまで」を示せているから素晴らしい限りだ。

米ミネソタ出身、ゼロ年代初頭位まではちょいブイ言わせてたサワヤカ青春パワポ系パンクバンドだったはずが、いつの間にかなんかようわからんパリピパンクの一勢にごちゃっと混ぜられた結果、逆にこじらせアンニュイなメンヘラインディーへと微妙にズレこんでったあのMCSによる、その後の活動停止からの再活動、そしてニューアルバムとしてはほとんど10年ぶりとなる本作だ。

しかもこれが初期にみせていた軽やかさと人懐こい柔和さを踏まえながら、その後の成熟で得た懐の深みと洗練さを交えては、一番美味しいレトロポップな大人泣きエモパンクどころを射程に。

ジャケにもそれとなく現れているその作風の指向性は、
かつてのエモ戦国時代から伝わりしローファイ・ムーグシンセによって高まる童貞パンチラ懸垂告白ばりなノスタル甘酸っばさに100%彩られ、
しかも全編みなぎるメロディックさたるや、淡くもハツラツな胸キュンセヅナエモーショナルと、私的最高傑作にして彼らの出世作2nd「Commit This To Memory」(2005年)の傑出ぶりを今に思い出さずにいられない。

何せ冒頭からしてナイーヴ無双の繊細居士さながら、極上高カロハニトーチューンM3“Particle Physics” FALL OUT BOYSパトリック・スタンプが参加)を経ては、甘泣きも辞さないM4“You Know Who the Fuck We Are”、さらに初期っぽくキラキラと青きが躍動するM7“Downer”などと、彼等らしくもよく出来たこの妄想アンタトシティ産業トラック集。
いやはや元よりコンポーズに長けてはいたけど、改めてここまでだったかと、剥げたおっさんどもがこぞって脂っこくほころぶゼロ年代回春小悪魔スイーツカッコワライ展開よ。

そんな映え系菓子スタグラムにいいね押しつつ、個人的にはラスト近くでエッジ強めて、バラエ拡張でフーファイにグラムロックマシさせるM9“Bloodline”、からの直球パワポM10“Things Like This”の流れとか、普通に好物だわ。

FM / 「Brotherhood」 :83p

FM / 「Brotherhood」

FM / 「Brotherhood」

 

以上、今週の3枚でした。

 

…え、もう一枚?
いやいいよ、聴かなくてマジで。
だってもうTESTAMENTで十分埋まってんだろジジイ枠。
え、でもやんの?
言っておくけど、若い子らや一見さんは聴かなくて全然いいからなホント。(どうせそんなのおらんだろうが)

っていう無駄なお断りの上で、80年代から続いてる英国ベテランHRバンド、FMのこれを。
昨2024年、活動40周年てこともあったのか知らんが前作、「Old Habits Die Hard」をリリース。
しかもこれがかつての名盤「Tough It Out」(1989年)にめっちゃ近い感じで、実はここでも褒めをちぎっては投げちぎっては投げな86pの(ここにしては)大盤振る舞い。
すまん、今はちょっとだけ反省してる。

でそんな前作に続く本作13thで、平常運転に戻ってきた昭和平成かかりつけ養老おメロハー。
勿論、大声でお勧めはしないしドがつく程度のクソ地味なんだが、だけどこれはこれで近所の昔から行きつけのくたびれた大将が何なら親の代からやってる、なんてことないけど気の知れた、でも実は肴も酒もちゃんとしっかりしてる、地元の古きよき名店居酒屋「酒処えふえむ」の楽しみようよ。

相変わらずスティーヴ・オーヴァーランドのしっとり憂いたソウルフルな歌に、全体的な軽めのサウンド使いで、土臭さもほどほど少な目。

よって基本軸の英国ハードロックで踊(ダンス)りながら、ときに80年代AORな雰囲気あり、ときに黒み帯びた70年代風味のブルージーあり、ときにToughなItをOutしつつも、古来ファンをも別段沸き立たせることなく、あーそうねそうだよねってまったり無刺激ノー脱糞ノーおむつ進行。

にもわらず相変わらず美味いとしみじみ思わされるのは、~一応常連の身としての贔屓目込みだけど~ 地元店ばりに気取らず派手さ控えての地に足ついた力みのないコクみと味わい、そして何より老舗ブランド看板を支えるにふさわしい職人気質の実直な作りのツボを押さえた丁寧さ。
そしてそれを支えている大人らしい落ち着きある熟成のメロディックさがゆえ、なのだろう。

てかホントのこと言うと今回のセレクト中一番リピってんのこれだし、何なら今夜晩酌に流すのも全然これでいいわって感じなんだけど、一応記しておけば。
カツヤコバヤシの生霊が出しゃばってきそうなイントロで始まるM5“Love Comes To All”、レイドバックした盆のジョンにウワウワとリビングでおップレイやらかさんM4“Raised On The Wrong Side”、あるいはその最近版、えTHESE DAYSってやかましいわなM7“Don’t Call It Love”あたりを程よく頼んでつまみ、さくっとお勘定いきたいところ、かな。

以上、今週の4枚でした。

さ、細かいことはよう知らんがもう散々書き疲れたし、おっちゃんちょっとビールあけてそのFMでも流して飲んでくんわ。
ではまた。

TESTAMENT, TURNSTILE, MOTION CITY SOUNDTRACK, FM,

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一応しとく注意
・レーティングはあくまで書いてる人の個人的な気分と機嫌のみに基づいたものです。
・ネタが古い、おっさん臭い、と言われても古いおっさんが書いているので、仕様です。
・ふざけたこと書きやがってと言われても、ふざけて書いているのでお許しください。
・ネット上のものがすべて本当だと捉えがちなおじいちゃんや、ネット上のものにはケチつけても許されると思いがちな思春期のおこさまのご意見は全てスルーします。
・要するに、寛大な大人のご対応をよろしくお願いします。な?
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