ようやく見せてきた本気~HAIL THE SUN/「New Age Filth」(70p/100)

アルバムレビュー
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HAIL THE SUN/「New Age Filth」(70p/100)

地味ながら、彼等もそろそろ中堅候補な十年選手入り、ここらでそろそろ一旗上げて花咲きたいところ。
そんな頃合いに出してきたのが、本5thフルレンスだ。

エモーショナルかつプログレッシヴな、変幻多面性ポストハードコア。
概ねの音楽性の狙いはそんなところながらも、そこにナードなクリアシンギングを加えることで、エモ味を一層増量させているのがHAIL THE SUNの特徴か。

ま、要するに元ネタはFALL OF TROYDANCE GAVIN DANCE(実際彼等はかつて初期にはDANCE GAVIN DANCEのギタリストWill Swanが運営するBlue Swan Recordsに所属していた)だというカラクリ。なので、ぶっちゃけやってることが目新しいかと言われたらそんなことは全くないし、やりたいことも判らなくもないが、それも引っ括めて一言で言うなら、陳腐、以上。
それもあってか、これまでは正直パッとせず垢抜けない存在だったが、しかし。本作に至りこれまでの荒削りにもようやく研磨と洗練が掛けられており、ここにきてやっと頭角を表してきたかの印象だ。

即ち、カオティックというより単にとっ散らかっていただけの乱雑な構成を整理すると共に、メロディを強化。
特にギターラインの覚醒目覚ましく、時にMARS VOLTAをも彷彿させるメロ使いの多彩さによって、プログレ的な展開にも情感豊かなドラマ性と説得力が伴ってきた。

つまりはようやく表現したいことにクリエイティヴィティと実力が見合ってきたということ。
あとはそれを自身のものとして、何処まで有力に伸ばせるか。
おおっ、やっと面白い存在となってきたじゃないか。

DATE
  • アーティスト名:HAIL THE SUN
  • 出身:US
  • 作品名:「New Age Filth」
  • リリース:2021年
  • POST HARDCORE他
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