朝から慣れもしないWordPressの引っ越し作業に脳が耐えきれず、先程爆殺なされましたので謹んでご冥福申し上げて下さいお早うございます。
そんな頭の蘇生を待つべく、今日もコオヒイひいてレコオド流して、休日恒例ヴァイナルカフェ。
GARY MOORE/「Corridors of Power」(1982)
GARY MOORE発掘ブルーズものを聴いてたら、昔のが聴きたくなりて。
で、これだ。オブパワーだ。
全次元でロックミュージックの頂点におはします神盤「Wild Frontiea」は例外とすれば、ハードロックアルバムとして見たら、これがゲイリーの最高傑作…っていうのが一般的評価か。
尤も、個人的には「Aftrer The War」も実は大好きなんですけどね。
それはさておき、これだ。オブパワーだ。(しつこいしおもんない)
とにかく名盤至極、そして基軸はハード一徹。
ゲイリーのソロ活動の中でワイルドなハード面が一番前に出た、攻撃的なアルバムとされている。
というのも制作背景を見るとこのアルバム、ゲイリーにとってヴァージン契約1作目なのだ。
つまり今後の鍵を握るソロ活動での、大手レーベル契約一発目。
だからか、張り切ってる。
プレイにも楽曲にも、そんな攻め攻めの気迫が滾っている。
何せ時は1982年。
新たな時代、80年代が進もうとしている頃のこと。
そして音楽シーンでは70年代的なブリティッシュ・ロックから、HR/HM、そしてエレクトロなポップサウンドに向かう一方で、ロックギタリストも注目度が高まっていた。
新時代のギタリストは誰かと、しのぎを削っていた時代の話だ。
つまりそんな中で、このアルバムというのは彼にとって、ギタリストとしても、またミュージシャンとしても、ロッカーとしても、脱・これまでの活動、そして新たな時代に向けたものとして出されたものだった。
と、そんなゲイリー渾身の入魂作、言いたいことは色々あるのだが、まずアルバムの構成がすごく良い。
キャッチーなオープナー“Don’t Take Me After A Loser”から始まり、バラード散りばめ、後半フルスロットル、そしてブルージーへと向かい終わる。
ただしギターテンション、むっちゃ高ぇーんだけど。
で面白いのが、二曲目に激甘メロバラードを置くのだよ、このアルバムは。
ピアノ甘ッアマの”Always Gonna Love You”を。
いやそりゃ勿論、嫌いなはずがない。
そりゃ当然、最高なのだ、名曲なのだ。特にギターソロの泣きクソまくりなんて、嗚咽モノだ。
でも普通こういうバラードは、4-5曲目に置く時代だった。
でもそれが、頭にある。これがちょっと、面白い。
このように本作は、オセオセの攻め路線ながらも、しかしバラエティは豊か。
先の”Always Gonna Love You”の他にも“Falling In Love With You”なんて極上のバラードまでが並んでいる。
(このギターも最高だ)
そしてB面、アルバム最大の聞き所、“End Of The World”に続く疾走チューン“Rockin Ever Night”。
ここらのギタープレイは、往年のギターキッズならぐっとくるところだろう。
マシンガンピッキングの、なんと遠慮ないことよ、容赦ないことよ、と。
なおここでゲイリーを取り巻いているのは、ニール・マーレイに、イアン・ペイス。
つまり陣営はパワフル重視、力こそパワーなりの脳筋プレイヤー。
で、そんなパワー戦士バトル展開の上で、「弾き倒してなんぼ」という当時のオセオセゲイリーギターが炸裂しているのがこのアルバムだった。
だから「泣き」も基本、オセオセだ。
ていうかそもそも、そういうギターなのだ、この人のプレイというのは。
オセ泣き。
泣き倒し。
無遠慮泣き。
パワー泣き。
泣くぞコノヤロウ。
強引グ泣きウェイ。
でもそれがゲイリーなのだ。そういう人なのだ。そういうギターなのだ。
そしてそこが、最高しかない。
こないだ出た、そして恐らくは彼最後の音源であろうと言われているブルーズアルバムも、そうだった。
特にライブ盤は、そんな彼らしいオセ泣きブルーズライブ音源になっている。
まだの方は是非とも聴いてみてほしい。
そしてR.I.P.。
眠れ、ゲイリー。ブルーズと共に…。
- アーティスト名:GARY MOORE
- 出身:アイルランド
- 作品名:「Corridors of Power」
- リリース:1982年
- HARD ROCK, HEAVY METAL
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。