【今週のチェック 2021 4/3】WHITE VOID、EVANESCENCE、PORTROYAL OF GUILT、KINGDOM OF GIANTS等

今週のチェック
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今週は小粒ながらも秀逸、充実。よきよき。

WHITE VOID/Anti:84点

(今週のオヌヌメ)

これは面白いバンドだ。
クセがあってそこに中毒性がある、しかしその魅力を果てさて一体どう伝えればいいだろう。
ハードロック、ロックンロール、ストーナー、プログレ、オルタナティブ。
それらのいずれにも通じるサウンドながら、しかしそれらのいずれにもあらじ。寧ろこいつはそう形容することで、その魅力や本質からより遠のかせてしまう類のものだ。
敢えて所在を言うなら、北欧アヴァンギャルドロックの系譜上。とはいえど難解さは皆無で、しかも哀愁を帯びたメロディックさなど、逆に判りやすい位な程である。
即ち、70年代ロックへの憧憬と、北欧の寒さ厳しき大地と風に薫る、土着的メランコリア。
そしてそんな感性と同じパレット上に滲む、ニューウェイヴ、ゴシック(メタルではなく)/ポジパン由来のぬらっと黒みを帯びた妖しさはどうだ。
しかもそんなサウンドに携わっている連中の出自がBORKNAGARやIHSAHNだというのも興味深い。

どうやらこれがデビューアルバムのようだが、こりゃ今のうちにツバつけておいて損はなさそうだ。

EVANESCENCE/The Bitter Truth:74点

いたなあ、そういや!
…くらいにしか印象がろくに残ってないこの20年代に、10年ぶりという事実上の復活作とすら思えるニューアルバム。
しかもメンバーはエイミー・リー以外一新となれば、最早これは彼女のソロユニット改メと言ってもおかしくない。
インダストリアル、ゴシック、ラウドロック。かくもぼくらのゼロ年代ゆかりなメタリックソリッドネスを纏って帰還アピをしてはいるものの、しかしメインの主役はあくまで彼女の歌唱。よって以外は所詮は装飾でしかない。
勿論、それもまたそれ。
幾分か曲粒が小さめなせいもあり(つっても前からこの程度だった気もするが)、かつてのようなシーンに一石を再び投じるようなインパクトはここに正直見られぬものの、しかし彼女の歌い手としての健在感を今に伝えるというその思惑においては、本作はそれ相応に足るものとなってはいるだろう。

PORTROYAL OF GUILT/We Are Always Alone:83点

これまで全く知らなかったけど、あれれ、このバンドなかなか良くないか?
エモ/ポストハードコア、とカテゴライズされてるがとんでもない。
ブラッケンドスクリーモ、つまりはブラックメタルやグラインドコアにエモを加えた…いやいや、それも然程に及んでないだろう。
例えるなら、CONVERGEにノイズミュージックが異物混入した。
あるいはひと頃のTODAY IS THE DAYを地下から蘇生したらダークアンビエントウイルスが細胞に入り込んでた、そんなこれは情念が産生した毒劇物だ。
尤も現段階ではそこまで言うと流石に褒め過ぎるかもしれないが、とまれここには現在進行形の米エクストリームメタル、ハードコアの鮮鋭な激烈性の最前線と深淵を覗くかのようで、しばらくこの界隈は目が離せなくなりそうだ。

KINGDOM OF GIANTS/Passenger:73点

そろそろ中堅域に差し掛かる米サクラメントのメタルコアバンド、すっかりスルーしてた昨晩秋リリースの4th。

鬱エモくて激しくて、でリズムがガガんガガガっっガガという、新世代Djentリーモ…なんてふと呼びたくなるが、まあ言ってみれば美味しどころ添加物化調練り合わせサウンドを、よりキラキラエレクトロなアレンジを併せて強め出したようなものか。
尤も彼等の場合そのスクリーモ要素、つまりは濡れたメ ロウネスと血吐く激情のコントラストが巧妙ではあるのだが、とはいえ基礎スペックはキャッチーなんぼな即効性重視型。
よって深度や奥行きに格別長けてるわけでもないため、手垢にまみれた手法を手堅く器用にこなしただけ、と言われるとそこまでなんだが、でも別にいいじゃんチェーン店ランチメニューだって美味ければ。
そんなイオンフードコートメタルとしては、そこそこ出来よく食べられる方ではあるだろう。

PORTROYAL OF GUILT、ええすな。
今週の裏オヌヌメ。
リンク先のホラー映画仕立てのPVも長めだけど面白いです。

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