【今週のチェック 2021 3/6】PALE WAVES、FEVER 333、MOGWAI、ARCHITECTS等

今週のチェック
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FEVER 333、ええなあ。
情念が音に焼き付いてるってこういうことだなあ。

PALE WAVES/Who Am I:85点

(今週のオヌヌメ)

ニューウェイヴィーなシンセゴスから舵を大きくロックサイドへと切り、足元は背伸びしたヒールを脱いで地に足着いたスニーカーに。
結果、キラーチューン一発というよりは小粒の佳曲を敷き詰めたかの、よく出来たパワーポップアルバムと仕上がった。
煌びやかさを抑えた作りは、言ってしまえば何の変哲もないギターガールロックなのだが、ではなく寧ろその変哲のない等身大さこそがここでの魅力なのだ。そう頷けるのは、若さ故の溌剌としたエナジーが着飾ることなくストレートに響くからだろう。
こっちの方が好きだし、全然良いし、今の彼女らには似合ってる。

FEVER 333/Wrong Generation:84点

(今週のオヌヌメ)

随分アルバムスパンを早めてきたなと思いきや、EP扱い。
昔で言うミニアルバムというやつだが、しかしこれが控えめに言ってもこないだのアルバムより数段素晴らしい。
この勝因はバンド自身の成長もさることながら、何よりも制作環境要因がそれを押し上げたからに他なるまい。
というのも本作は、メインのフロントマンが昨年米国で起きた白人警官障害致死事件デモに参加した時のインスピレーションを、冷めないまま創作に投射したいう。
これが見事に功をなし、生々しくヒリついた憤怒と緊迫が音楽にしっかりと焼き付けられている。
そもそも情動の言葉を綴り伝えるということにおいてはHIP HOP程優れたものはないだろうし、一方その熱情をダイレクトに届けるすべにおいてラウドロック以上に洗練された手段はないだろう。
それら双方を得たこの作品には、一番尖っていた初期のRAGE AGAINST THE MACHINEに近い瞬発力を覚えずにいられない。
体感と衝動と情念こそがロックをギラつかせ脈打たせ際立たせるという、これはまさしき好例だ。

MOGWAI/As The Love Continue:74点

これでもう10枚目、デビュー25年ともなるという。
思えば昔、富士の麓の静寂な夜を轟音が覆い尽くし、切り裂いていくかの壮大なステージを朝霧jamで見てから随分と時が経ってしまったが、しかしそれでもまだMOGWAIは今尚それほど変わっても、衰えてもない。
作風としては、前作のラウドさを再び抑え気味にし、よりアンビエントに。
正直、地味作だと評すれば本作はその一言に尽きるかもしれないが、しかしかといってその緩やかに塗り染め、描き重ねていくかの美しくき激性(=劇性)に揺らぎや遜色があるでは全くない。
寧ろ、経年と経験を重ねた今の彼ららしい安定性を示した一枚だと受け止めたい。

 ARCHITECTS/For Those That Wish To Exist:70点

英メタルコアの新作。
リードギタリストの死去以来となるシリアスネスを高めた作風は今回も引き継がれており、静謐と悲哀を食い破り進むような内省的なハードネスが一層深化している。
この米産には見られない気品ある繊細さを生かしたダークな美感が如何にもUKらしいところでもあるのだが、反面未だインパクトというか、決定打に欠ける感も否めず。

うーん、この曲↓とか悪くないんだけどなあ。
些かスロースタート目というか、前半がフラットでタルい気も。

以上。
全体的にはレベルの高い週でした。

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