今週の4枚はド地味な上、オヌヌメ以外今一つ。
どれも悪くはないんだけど、なんかモノ足りないんだよなあ…。
ENSLAVED/Utgard:88点
(今週のオヌヌメ)
アルバム15枚目にして、やもすれば最高傑作を更新してきたか。そう言っても何ら大袈裟ならぬ傑出ぶりだ。
ブラック/ヴァイキングメタル最古参組ながら、近年はプログレ志向こじらせた大風呂敷病が目立っていた彼らだが、ここでようやく反省&インフレ回収。
やれば出来るではないかとばかりに楽曲スタイルを凝縮させながら、かつ旧来の鋭利な暴虐性とともに現代的なヘヴィネスをもそこに宿さすことで、さらなる高みをも臨んでみせている。
濃密にして意気旺盛、現役ベテランならではの貫禄ある作りであると同時に、その長いキャリアをも一望出来る一枚にもなるだろう。
で、あとは微妙枠を3つ。
W.E.T/Retransmission:63点
ジェフスコットソート×ECLIPSE、という組み合わせ自体は面白いが、肝心の曲の面白みが足りてない。
躍動感あるロックグルーヴは、世の「おメロハー」が何より欠かせているエレメント。
そこに意識を向けた音楽性は決して嫌いじゃない上、ジェフの活用面においても最適解だと頷けるのだが、しかしそれはワンパンで殺傷に足る楽曲の存在があってこその話だ。
そんな魅力がガツンと伝わらず、悪くないけど響くこともなくスルスルと抜けていくかのフックの弱さが、何とももどかしい。
THE DEAD DAISIES/Holy Ground:60点
グレンヒューズを贅沢投入してカビの生えた歌モノブルーズドハードロックを真っ向堂々振る舞う、という試み自体は面白いが、肝心のバンドとしての面白みが足りてない。
加齢臭上等の正攻法もさることながら、流石の御大、美味しいところを根こそぎかっさらうかの歌いっぷりで主役アピールも大概。よってこれまたイイっちゃイイんだが、今二つ位それを一撃で穿てるインパクトと魅力に欠けており、古臭さを超えての訴求力に至らず終い。
結果、そこそこ出来のいい暇な老人会モノという印象を拭えてない。
WIG WAM/Never Say Die:62点
グダグダの解散から心機一転、猛省を生かしたアメハーポップへと舵を取り直しての再出発というストーリー性は面白いが、肝心のアルバムの面白みが足りてない。
紆余曲折を経ることで従来的な悪い意味でのコミカルなパロディ臭さが脱色されており、溌溂ながらも(勿論当初からあったであろう)真摯さや意気込みは伝わってくる。
それも含めての「らしい」アルバムであることは十分認めるし、そもそもコレを言ったらお終いという身も蓋もなさを承知もするのだが、それでも本作を評すればやっぱり以下の一言に尽きる。
今更過ぎて賞味期限切れ感がハンパない、と。
うーん、
印象的なコーラスでパワフルに歌うトップチューン↓とか、凄くいいんだけどなあ。