日曜なのに5時起きし、ドローイングと朝ヨガで目覚まししたら、情報収集と経理仕事。でこれからコーポ黒崎の入居者対応でお掃除…て休日なのに仕事づくめやんけ。
まずはその前に一服、レコオド掛けてコオヒイ入れて、休日朝恒例ヴァイナルカフェ。
LED ZEPPELIN /「Houses of the Holy」(1973)
ある人からは、これぞツェッペリンと讃えられ、
また違う人からはこれがツェッペリン?と祟られ、
またガチガチ極右デブからは「ハードロックじゃないからクソだ」と蔑まれ、(※注1)
またマウント極左ハゲからは「ハードロックじゃないからイイ」とポジトーされ、(※注1)
するとおめでたいビルボード至上バカから「でも全米で1位取ったしすげーじゃん」とお花畑され、(※注1)
それを眺めてる側からは、ていうか普通にいいじゃダメなの?と本当のことを言われ呆れられてきた。
そんな良くも悪くも評価の分かれるイメージが未だにつきまとう、このLED ZEPPELIN5作目にしてようやくまともにタイトルが付けられた本作。
ことほどさように、とにかくこのアルバムの語り口は、難しい。
言うと、そーじゃねぇと怒られる。
彼らバンドキャリアにおいて、このアルバムほど語るのが難しい作品ってあるんだろうか。
いや、確かにいい作品なのだ。
地味だけど。
地味かな。地味だよね、地味だわやっぱり。
少なくとも、前作「Ⅳ」よりは。
大体、ブリティッシュハードロックの金字塔のような、あのアルバムの次にこれが来た。
いなたく太いハードロックが続いた後に、これが出された。
そりゃなるわけだ、「え!?」って。
寧ろこの「え!?」のために作ったアルバムみたいなところすら、ある。
ってホラ「そーじゃねぇ」と腰あげるでしょ?そう言うとそこのおじいちゃん、ご飯はさっき食べたでしょ?
そこがこのアルバムの面倒くさいところだ。
YMOで言うところの「良いものもある、だけど悪いものもある問題」だ。
ところがさらに面倒臭いことに、アメリカで売れた。全米一位を取った。
LED ZEPPELINが、より大きな飛行船になっていった。
だからまた面倒臭くなった。
1973年の、まだそこまでロックが複雑じゃないけど、だからこそ面倒臭かった大昔の話だ。
最高傑作といわれる、前作「Ⅳ」。
やはり、この存在が大きかったのだろう。
それを半ば引き継ぎながら、しかし一方でそこから大きく脱却しようと試みた。
脱却論そのものが目的に、少しだけ、なった。
結果、面倒臭さが増した。
そんな良くも悪くも「Ⅳ」の存在が、呪詛が、このアルバムには陰っている。
だからだろう、それもあってか、軽いのだ。
恐らくは意図的に狙っているのだろうけれど、作りがなんというか、軽い。
軽薄、てわけじゃなくてどちらかといえば、軽快。軽やか。
楽曲も明るめだったり、音もライトだったり。
んでムードもどことなくリラックスして明るくて、隙があるっていうか。
あ、隙、ないか。ないな。
でもなんだろ、これまでみたいなガッツリ感とは違ったゆるみ、とでもいうのかな。それがある。
しかもエレピ使ったりファンキーだったりというわけで、そりゃ自ずと軽くなる。
だから造りとしては割と大仰志向なのに、なんだか「軽い」アルバムだ。
これまで見られたブルーズロックやケルト、トラッドフォーク嗜好といった「重み」からの脱却。それもまた「軽さ」の大きな要因だ。
ジョンジーの前面化。それも大きくあるのだろう。
ギターとボーカルでガーン!てカマしてきたのが、いきなり鍵盤が出てきた。そりゃ、当然ながらも軽くなる。
とにかく、「Ⅲ」や「Ⅳ」で突き詰めたブリティッシュハードロックを越える、変える、っていう意識がそうさせたんだろう。
まさにイギリス人の面倒臭さだ。
しかしそれもあってか、ここからLED ZEPPELINのサウンドが、明らかに変わる。
文脈が変わる。時代も変わった。
そんなハードロックの範疇に収まらず広がりを進めていく、後期LED ZEPPELINの幕開け的作品。
それがその、LED ZEPPELINで一番売れた、LED ZEPPELINで一番面倒くさいアルバムだ。
追記:
まぁ、言うてもこれらは70年代の話。
当時のこたあさておいて、現代ともなれば面白いアルバムだな、と。
面白い、ていうか、ヘンなアルバムだよね、これやっぱり。
意図的にバンドの向きを変えるために、「ヘン」を作りました、みたいな。
実験的というか、チャレンジャブルとか、あるいは否定的に散漫だとか、色々とそういう風にも変換して言えるけれど、でもぼくがやっぱりしっくりとくるのは、「軽くて、ヘンなアルバム」っていう、その独特なニュアンスだ。
ただし。
そんな「ヘン」さや、或いは先に触れたような「良くも悪くも軽さ」、もしくは「ユルさ」だったり「隙」だったり、あるいは「散漫さ」だったりとか。
とにかくそういったこれまで彼等になかったものをぶちこんでみせて、そして凄いのはそれを半ばムリクリにでも、LED ZEPPELIN色に染めてしまっているというところだ。
これはビッグに羽ばたいていくバンドの破格な勢いなくして出来ないだろうと、それだけはよく、判る。伝わる。見える。
とくに冒頭の「永遠の詩」〜「レインソング」に、そのことが如実に、克明に、刻まれてる。
そんなバンドの脂のノリがまざまざと見える「ヘン」なアルバムが、この「聖なる館」なんだと思いますね。
※注釈1:はーい、ごめんなさいジョークでえーーーーっす!
- アーティスト名:LED ZEPPELIN
- 出身:イギリス
- 作品名:「Houses of the Holy」
- リリース:1972年
- BRITISH HARD ROCK
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。