4次会まで飲んで会社泊まりとか頭バカなの?、な項垂れ気味に送る朝帰りからの、休日恒例ヴァイナルカフェ。
昨日のダイアモンドなデイブの次は頭だよ。
冷たい泉に素足を浸して見上げるスカイスクレーパーの次はうまく言えないけど宝物だよ。
針が降りる瞬間の鼓動焼き付けながらレコオド聴くね!(うるせえ
DIAMOND HEAD/「Am I Evil」(1987)
1987年に、何の前触れもなくいきなり出た、日本編集のベスト盤。
時既にバンドは3rdでコケててメジャーからとうに降ろされ、もはや末期~解散状態。
にも関わらずこのアルバムが出たのは、勿論ながらMETALLICAの愛情カヴァー効果のおかげに他ならない。
「おまいら、あの原曲バンドだぞ!?」と言わんばかりなタイトルからも、レーベルのそろばん弾く音が聞こえてくる。
おかげで当時のスラッシャーの間では名前だけしか知らなかった彼等を(ぼくも含めて)これで知ることになるっていうね。(※註1)
選曲は2nd中心ながら、バランスも悪くない。
しかも既出なスタジオテイクとは違うものが多く、それなりに存在価値のある良ベスト…という作品単位の話を一応しておく。
さて、そんなDIAMOND HEADは、所謂、NWOBHMバンドの一つ。
とはいえNWOBHMには色々なタイプのバンドがいたのだけど、彼らも言ってみれば異色派だ。
彼等の音楽性を一言で言うと、パンクフィルターを経たLED ZEPPELIN。
に、プログレ的なドラマチクスの構築性を備えた、ブリティッシュ・ブルーズロックのNWOBHMアップデート。あ二言か。
よってこいつら、実はどちらかといえばリフ主軸に攻撃疾駆するタイプとは異なり、割と古典的なスタンスを取っていたバンドなのだけど、それであってもなんやかんやでリフワークにみせるシャープさは、やはりNWOBHMならでは。(※註2)
そう、独特のクセを孕んだブライアン・タトラーの、ソリッドなギターリフ。
ここら辺、METALLICAのラーズやムス大佐のアンテナに引っかかったところなんでしょうな。
やがてこれがMETALLICAやMEGADETHの初期の音楽的根底を成していくという意味では、間違いなく彼等はプレ・スラッシュメタルなルーツバンドの一つだった。
それと。
彼等のサウンドには、当時は終わコンの極みだった後期LED ZEPPELINらしさが垣間見えるのが特徴的。
いや、垣間見えるっつーかモロ見え。無修正。
ギターラインや、余り巧くない上ずりヴォーカルの歌い回しなどなど、こんなにツェペツェペリンリンしていたNWOBHMバンドって他にいたかってくらいに飛行船影響を見せてる。特に後期作になればなるほどに、それが顕在化。(※註3)
しかも、それがウェットな妖しい暗みを帯びているのが、いかにも英国的なところ。
そんな黒ずんでどんよりとした陰りある揺らめきに、どことないニューウェイブ、ゴシック/ポジパンの妖気、耽美性が覗けるのもまた、連中の個性だった。
なので、この2020年代になってもパンクが憎くて仕方ないから絶対認めたくない極右のセーソクチルドレンどものクソ禿げ上がった前頭部に「ぽじぱん」ってでっかく刺青してやりたいですねぼかあ。
あとこの名ジャケアートは、「北斗の拳」のギョウコ様が乗ってたハヤブサ号のフォロワーな。(嘘)
※註1:この後盛り上がった勢いで90年代初頭再結成しては微妙なアルバムをリリースしてまた解散。
その後も再結成しているけれど、まあいいでしょもう。
※註2:ラーズらが影響をめいっぱい受けた自主製作の1stアルバム「Lightning To The Nations」では、もう少しリフで押していくシャープさが強かったのにね。
その意味では、確かに代表作はメジャーからの2nd「Borrowed Time」なんだろうけれど、でもスラッシュメタルの歴史的意義やNWOBHM的文脈という観点からは「Lightning To The Nations」こそが選ばれるべき真の名盤なのかもしれないすね。
※註3:つーかDIAMOND HEADって、なんでこんな作品毎にどんどんメタリックな攻撃性が霞んでいき、てぺりん化していったんだろか。
- アーティスト名:DIAMOND HEAD
- 出身:イギリス
- 作品名:「Am I Evil」
- リリース:1987年
- NWOBHM
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく本気にせず(笑)読んでいただければ幸いです。