なんてったってアイドル~BLACK SABBATH /「The Eternal Idol」(1986)

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ほろ酔いで地元戻ってきて、またほろ酔いで日本酒バー寄って、べろ酔いでおうち帰ってきたダメ休日の翌日。
気持ち悪い、そりゃあそうだよねな酔い覚ましの休日朝恒例ヴァイナルカフェ。

BLACK SABBATH /「The Eternal Idol」(1986)

マーティン期サバスが嫌いなメタラーなんていません!by脳内大野さん。

はい、出ました名盤。
マーティン1枚目、なんてったってEternalアイドル。
ライザップ行ってシャイニン。

個人的にはこれがトニマ作ではとりまダントツですけど、でもここに鉄壁リズム隊が揃うこの後の2枚も最高。
え、クロスパーパシス何それ知らないす。

さて、ちょいと制作背景を。
実を言えばロニー脱退後のサバスは、バンドとして完全にボロボロ。
結果アホなレーベルの勝手きまぐれに命じられるまま、やれグレンだギランだあえて言おうカスであると、どう見ても落ち着きそうにないオワコンビッグネーム歌わせて、はい一枚でおしまいとやっていた。

でもそのくせ、作るものはどれもこれもがそこまで悪くない。
ここら辺が、さすがはアイオミ大先生、腐っても鯖スと言われてた所以だったりもする。

で、1985年のこと。
ヴォーカルに今度は慰安じゃない例のギランを据えて、半ば作りかけていたのだけど、また例によってクソレーベルのワガママ発令、
「ごめんやっぱこいつじゃねーわ、こいつだったわ」と連れてきたのが、無名新人だけどめちゃウマシンガーのトニー・マーティン

いやそりゃ確かにガチ様式美指向の作風にどブルージーなレイ・ギランのこれじゃない感は、作り手もバンドも、あと多分本人も(笑)それなりにあったんだろう。
そこでロ似ーなトニーのマーティンが大抜擢されて、見事ずっぱまり。
ちなみにその後レイ・ギランはオジーから追い出されたジェイク・E・リーと合流して例のBADLANDSに向かい活躍していくわけだけど、それもまたのちの話という例のギラン。

で、このアルバムだ。
一言で言えば、「HeaveN & Hell」の焼き直し。
ただし、相当ハイレベルな。

もう少し詳しく解説すると、基本路線はゴリゴリ様式美な地獄楽スタイルながら、当代的モダナイズとサバスらしい重みも加味。
結果、色濃くダークながらもずっしりとした威風たる重厚感に、ディオみある無駄無駄パワフルで伸びやかな歌がのった、メタリックな作り。

そして特筆すべきは、その楽曲群の粒ぞろいっぷり。
そう、重力リフやハードネスの歴史的意義ばかりが取り沙汰されがちなサバスだけど、そもそもその根底にあるのは、実はアイオミ先生筆頭のバカ高くて柔軟なコンポーズセンスなわけで。
ここにおいても、最高至極のミドルヘヴィなトップチューンから、メロディックな佳曲が満載。

とどめラストのズルズルダークヘヴィなタイトルトラックに至っては、サバスらしいスローアンドスラッジーさがミラクルマジカル魔法つかいに味付けられた、これぞマーティンサバスたらん醍醐味に染まっている。

あ、あとアイオミの構築的なソロが好きすねぼかあ。
B面“born to lose”とか凄くいいソロワークだと思うの。

というわけで長くなってしまったけれど、結論としては、マーティン時代はどれ買っても外れナシ、の一言に尽きるかと。
あと、この後御大が入り直したのに当時はクソつまんねーと叩かれてユニオン中古投げ売りコーナー常連だったデヒュマナイザーも悪くないぜー。

 

DATE
  • アーティスト名:BLACK SABBATH
  • 出身:イギリス
  • 作品名:「The Eternal Idol」
  • リリース:1986年
  • 正統派HEAVY METAL、様式美METAL、DOOM METAL

 

ヴァイナルカフェとは
近年やっとアナログレコードにハマった超絶情弱時代乗り遅れ管理人、黒崎正刀が、休日の朝に趣味でコオヒイをひいて、その日の気分で持ってるレコオドを流し、まったり鑑賞している間にゆるーくSNSなどで書いているものを、こちらのブログに転用したもの。
よって、そのほとんどが70~80年代の古いものばかり。
尤も音楽批評というかしこまったものよりは、大概がただの独り言程度のたわいない呟きなので、ゆるーく読んでいただければ幸いです。
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